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瀬口 忠男*; 田村 清俊*; 工藤 久明*; 島田 明彦; 杉本 雅樹
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 22(6), p.3197 - 3206, 2015/12
被引用回数:28 パーセンタイル:76.52(Engineering, Electrical & Electronic)原子力発電所のケーブル絶縁材料であるエチレンプロピレンゴム(EPR)の熱劣化,放射線劣化,熱放射線複合劣化による分解過程を詳細に調べた。熱劣化は空気中で100あるいは175Cの加熱、放射線劣化は空気中で0.25あるいは1.0kGy/hの線を最大400kGyまで照射することで評価した。また、熱放射線複合劣化として、熱劣化後に放射線劣化を行う逐次劣化,放射線劣化後に熱劣化を行う逆逐次劣化を調べ、熱放射線同時劣化を模擬可能な試験方法を検討した。EPRに添加された酸化防止剤は熱酸化を抑制するが、その消費、減少によって酸化生成物の量が増大し、力学特性が低下することを明らかにした。また、逐次劣化は熱放射線同時劣化と異なる挙動を示したのに対し、逆逐次劣化では類似の結果が得られた。したがって、EPRを絶縁材に用いたケーブルの寿命評価には、逆逐次劣化試験が適していることを明らかにした。
島田 明彦; 杉本 雅樹; 工藤 久明*; 田村 清俊*; 瀬口 忠男*
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 21(1), p.16 - 23, 2014/02
シリコーンゴム(SiR)は、原子力発電所用ケーブルの絶縁材として用いられている。本研究では、原子力発電所用ケーブル絶縁材と同じ組成のシート状SiRを試料として選定し、最大235C、及び最大1kGy/h、195Cの環境下、空気中で熱劣化,放射線劣化をさせた。熱劣化に関しては、併せて、真空中での劣化も行った。劣化済みのSiRの特性を引張試験,ゲル分率測定,重量測定により調べた。空気中で劣化させたSiRは、熱劣化,放射線劣化のいずれにおいても、劣化と共に、破断時伸び、破断時強度が低下し、弾性率が上昇することが分かった。真空中でも劣化と共に特性が変化するが、空気中に比べて破断時強度の低下が著しく、また、弾性率の上昇が緩やかであることが分かった。これらの結果や文献調査などから、空気中及び真空中のSiRの放射線劣化は、放射線によってSiRの架橋部分が切断された後、酸素が存在する(空気中の)場合は酸素原子による架橋が生じるが、酸素が存在しない(真空中の)場合は架橋部分が切断されたままになるという劣化メカニズムで説明できることがわかった。
島田 明彦; 杉本 雅樹; 工藤 久明*; 田村 清俊*; 瀬口 忠男*
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 20(6), p.2107 - 2116, 2013/12
被引用回数:40 パーセンタイル:82.74(Engineering, Electrical & Electronic)架橋ポリエチレンに酸化防止剤を0, 0.1, 1.0%加え、厚さ2mmのシート状に成型した試料を熱,放射線劣化させ、劣化後の試料の機械特性と酸化防止剤濃度,酸化生成物濃度、及びこれらの厚さ方向の分布を調べ、相関関係について議論した。劣化とともに酸化防止剤濃度は、揮発や分解により減少していくが、十分な量の酸化防止剤(0.04%程度(限界値)以上)が架橋ポリエチレンに残っている場合には、劣化時間や線量に比例して酸化が進行し、厚さ方向に対する酸化防止剤の不均一な消費や酸化生成物の不均一な生成は見られない。しかし、酸化防止剤の濃度が限界値以下になると、酸化速度が著しく向上するとともに、試料表面の劣化が非常に激しくなるなど不均一な酸化劣化が起こることがわかった。したがって架橋ポリエチレンなどのケーブル絶縁材の加速劣化試験を行う際には、酸化防止剤の消失が引き起こす熱暴走(酸化速度が著しく向上すること)が起こらない条件で行うことが必要不可欠であると考えられる。
島田 明彦; 杉本 雅樹; 工藤 久明*; 田村 清俊; 瀬口 忠男*
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 19(5), p.1768 - 1773, 2012/10
被引用回数:14 パーセンタイル:58.94(Engineering, Electrical & Electronic)原子力発電所に敷設されているケーブルは事前に劣化試験が行われる。この劣化試験を短期間で精度よく行うため、ケーブルの実環境の低線量率,長時間照射によるケーブル材料の劣化の再現に必要な高線量率,短時間照射の条件を調べた。ケーブル材料として使われている高分子材料(架橋ポリエチレンとエチレンプロピレンゴム)を室温、0.25kGy/h、及び100C、1kGy/hで、400kGyまで照射した。劣化させた試料の酸化物の分布をFTIRで調べて、機械特性の変化と比較した。その結果、(1)劣化試験の際に照射温度を100Cまで上昇させてもその熱劣化は無視できること、(2)100Cで厚さ1mmの架橋ポリエチレンシートを0.8kGy/h、厚さ1mmのエチレンプロピレンゴムを10kGy/hで照射することにより、高分子材料全体を酸化劣化させることができ、室温での劣化試験と比べ、試験期間が1/15に短縮されることがわかった。
小林 薫; 花田 磨砂也; 秋野 昇; 佐々木 駿一; 池田 佳隆; 高橋 昌宏*; 山納 康*; 小林 信一*; Grisham, L. R.*
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 16(3), p.871 - 875, 2009/06
被引用回数:1 パーセンタイル:12.08(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60U負イオン源の耐電圧研究の一環として、3段静電加速器(500kV, 22A)の絶縁破壊位置について実験的に検討した。この加速器の特徴は、大型加速電極(面積: 0.28m)と大型FRP絶縁体(直径: 1.8m)を用いている点にある。各加速段に高電圧を印加して耐電圧を調べた。その結果、すべての加速段で130kVの耐電圧であり、各加速段で耐電圧特性に有意な差は見られなかった。そこで、絶縁破壊位置が加速電極かFRP絶縁体のどちらであるかを絞り込むために、加速器から加速電極を取り外してFRP絶縁体のみにして高電圧を印加した。FRP絶縁体の耐電圧は、すべての加速段で設計値である170kVに到達した。これらの結果より、加速器の絶縁破壊は、大型加速電極のギャップ間でおもに発生していることが明らかになった。さらに、非均一電場や多段加速電極が耐電圧に及ぼす影響についても検討した。
花田 磨砂也; 池田 佳隆; 鎌田 正輝; 菊池 勝美; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 梅田 尚孝; 薄井 勝富; Grisham, L. R.*; 小林 信一*
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 14(3), p.572 - 576, 2007/06
被引用回数:5 パーセンタイル:33.62(Engineering, Electrical & Electronic)500keV, 22AのD-イオンビームを生成することを目的に開発されたJT-60U負イオン源の耐電圧特性を実験的に調べた。耐電圧は加速電圧印加直後に加速器内部で発生する発光強度と強く相関した。つまり、加速電圧印加直後の発光強度が十分に抑制された場合、加速電圧はパルス中に絶縁破壊することなく安定に維持された。さらに、発光強度と加速管に流れる電流との相関を調べるとともに、分光測定を実施することにより、発光の原因について調べた。加速管に流れる電流の向きは陰極電極から電子が放出する方向であり、大きさは発光強度と比例関係にあった。また、光の波長は420nmを中心に広く(20nm)分布しており、イオン源の動作ガスである重水素やFRP製絶縁管の成分である炭素,酸素,水素等の輝線スペクトラムは観察されなかった。これらの結果より、耐電圧と強い相関関係にある発光はFRP自身の電子励起によるものと考えられる。本研究により、イオン源の耐電圧を改善するためには、陰極電極からの電子放出を抑制する必要があることがわかった。
中瀬 吉昭; 栗山 将
IEEE Transactions on Electrical Insulation, 18(1), p.78 - 81, 1983/00
エチレン・プロピレンゴムを過酸化物で加硫し、その耐放射線性をイオウ加硫物と比較した。イオウ加硫物では原試料のゲル分率が高いほど、劣化は抑えられるが、過酸化物加硫試料では、ゲル分率の影響は認められない。劣化に対する線量率効果は、イオウ加硫物、過酸化物加硫試料ともに認められる。また、低線量率における酸化反応の優勢になることも同等である。これらの事実より、イオウ加硫物の耐放射線性が良好なことは、単にゲル分率の増加、すなわち架橋点の増加によるのではなく、架橋点の増加に伴うイオウ原子の増加になることが明らかとなった。
中瀬 吉昭; 栗山 将; 高橋 享*; 一色 節也*
IEEE Transactions on Electrical Insulation, 17(4), p.306 - 313, 1982/00
ケーブル用絶縁材料として用いられる高分子材料を原子炉の通常運転条件、仮想事故時条件に暴らして劣化し、それらの放射線誘起電流について研究した。長寿命荷電担体は、非晶性材料ではほとんど認められないが、結晶性材料では比較的多く見出された。劣化により結晶性材料の結晶化度が低下すると、短寿命荷電担体のみが見出された。これは、長寿命担体は結晶のまわり、あるいは、内部に捕捉されていることを示す。仮想事故のうちの高温蒸気、ケミカルスプレーは、誘起電流の発生挙動に大きな影響は与えない。しかし、ポリイミド等縮合重合体は、加水分解を起し使用に耐えない。
中瀬 吉昭; 伊藤 政幸
IEEE Transactions on Electrical Insulation, EI-16(6), p.528 - 532, 1981/00
被引用回数:7 パーセンタイル:68.71(Engineering, Electrical & Electronic)イオウ加硫エチレン・プロピレン・エチリデンノルボーネン三元共重合体(EPDM)の耐放射線性を研究した。EPDMの機械的性質は、照射すると極大値を示して変化する。この極大値は、供試料のゲル分率に左右される。一方、このゲル分率は、イオウ量と加硫促進剤の量を選択することにより大きく変化させることができる。試料の放射線劣化は、この極大値からの低下の度合いで評価できる。ゲル分率の高いEPDMは、ゲル分率の低い試料より劣化は少ない。劣化に対して線量率効果があり、照射中の劣化が酸素の拡散律速であることを示している。110rad/h以下では、この線量率効果が小さいため、通常100rad/h程度の原子炉格納容器内の劣化を評価することができる。硬さの変化は、劣化を評価するためのパラメータとして有効である。
栗山 将; 早川 直宏; 中瀬 吉昭; 小椋 二郎*; 柳生 秀樹*; 笠井 耕一*
IEEE Transactions on Electrical Insulation, 14(5), p.272 - 276, 1979/00
軽水炉周辺で多用されるケーブル用高分子材料は高さ100rad/m程度の線量率を浴びる。実際の材料の耐放射線性の加速試験では、510~110rad/mの線量率範囲で評価されている。ここでは110,510,110,510rad/mの線量率範囲をえらんで、実用に供せられている化学架橋ポリエチレン、エチレン・プロピレンゴム及び含塩素系ポリエチレンの実用物性の測定(機械的及び電気的特性、容積膨潤比 etc.)から線量率効果を検討した。その結果、化学橋架pEの放射線損傷の線量率依存性は著しいが、EPR及び含塩素系PEのそれは余り表れないことが明らかにされた。
栗山 将; 早川 直宏; 中瀬 吉昭; 川和田 七郎*; 小椋 二郎*; 笠井 耕一*; 大西 隆雄*
IEEE Transactions on Electrical Insulation, 13(3), p.164 - 171, 1978/03
ケーブル絶縁材料としての代表的なゴム系及びプラスチック系材料の16種について、その耐放射線性を研究した。架橋ポリマーのうちで塩素を含有するものについては、その含有量の変化と複合環境(熱-放射線-高温蒸気)における寿命との関係、さらに添加物(抗酸化剤、加硫剤等)の効果についても明らかにした。架橋ポリエチレン絶縁体-ポリ塩化ビニル外皮ケーブルをIEEEstd383に従って試験をしたところ、仮想事故の冷却材喪失事故の環境に耐えないことが明らかとなり、一方、EPゴム絶縁-特殊クロロプレン外皮ケーブルでは充分耐えることがわかった。